犬のフィラリア症について
犬のフィラリア症は、犬の心臓や肺に寄生する寄生虫によって引き起こされる病気です。
犬を飼っているご家族の方は動物病院でフィラリア予防をしていると思います。
「フィラリア予防って効果あるの?」
「なんで毎年やる必要があるの?」
「フィラリア症になったらどうなるの?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
当院では犬のフィラリア症の予防医療にも力を入れています。
上記のような疑問のある方はいつでもご相談ください。
犬のフィラリア症とは?
犬のフィラリア症(犬糸状虫症)は、フィラリア(犬糸状虫)という寄生虫が原因の病気です。
フィラリアは蚊によって媒介される寄生虫で、感染すると犬の心臓や肺動脈に寄生します。
フィラリア症は蚊が媒介するため、日本全国で感染リスクがありますが、定期的な予防で100%防げる病気でもあります。

フィラリア症になるとどんな症状が出るの?
フィラリア症は、感染してすぐに症状が出るわけではありません。
徐々に進行し、段階的に症状が現れます。
感染初期は
- 元気がなくなる
- 軽い咳をする
- 疲れやすくなる
などの症状が見られやすいです。
症状が進行すると
- 咳が頻繁に出る
- 運動を嫌がる
- 呼吸が荒くなる
- 体重減少
といった呼吸器症状などが出ることがあります。
放置すると重症化してしまい、腹水がたまったり失神したりするようになり、最終的には心不全を起こして亡くなってしまう怖い病気です。
フィラリア症の予防方法は?
フィラリア症は、予防薬を適切に投与することで100%防ぐことができます。
予防薬には、
- 内服薬
- 滴下薬
- 注射
などの種類があります。
それぞれに特徴があるので詳しく説明していきます。
どの予防方法を選ぶのかは、犬の体質やご家族の希望も合わせて当院でご相談ください。

内服薬
内服薬には錠剤やチュアブルタイプがあります。
錠剤は比較的安価で食物アレルギーがある子にもあげることができます。
チュアブルタイプはおやつのような感覚であげられるため、犬が飲むのを嫌がりにくいのが特徴です。
どちらの内服薬も月に1回、ご自宅であげることが可能です。
滴下薬
滴下薬は背中の後ろに液体を垂らすタイプの予防薬で、口から予防薬を飲むのを嫌がる犬にはおすすめな投与方法ですね。
滴下薬は皮膚が弱い犬には使いづらい点や、滴下してすぐはシャンプーができない点には注意が必要です。
滴下薬も内服薬と同じように、月に1回ご自宅で投与します。
フィラリア予防の注意点
フィラリア症は予防によって防げる病気ですが、予防にはいくつかの注意点があります。
フィラリア予防の注意点は主に
- 事前の検査が必要
- 予防を始める時期と期間
の2点です。
それぞれ解説していきましょう。
事前の検査が必要
フィラリア予防はフィラリアに感染するのを防ぐわけではなく、血液中にいるフィラリアの幼虫を駆虫してフィラリア症になるのを防ぐ方法です。
既にフィラリアに感染している犬に予防薬を投与すると、大量の幼虫が駆虫されることで犬がショック症状を起こすことがあります。
フィラリア予防を開始する前には、動物病院で事前に検査を受けることが重要です。
去年の残りの薬を使ったり、インターネットで購入した薬を使ったりするのは危険なのでやめましょう。
予防を始める時期と期間
フィラリア症は蚊によってフィラリアが媒介される病気なため、蚊が出始める時期には予防を始めて、蚊が出なくなる時期まで毎年予防を続ける必要があります。
従来のフィラリア予防は5月頃から11月頃までがおすすめでした。
しかし、近年温暖化の影響もあって、蚊の活動期間が長くなってきています。
12月を過ぎても蚊がいることも珍しくありません。
そのため、フィラリア症のリスクを避けるためにも最近は通年予防が理想的です。
フィラリア予防を行う期間については、よく獣医師と相談しましょう。
また、フィラリアの予防は1年だけでは意味がありませんので、必ず毎年行うようにしてください。
フィラリア症は「予防すれば防げる病気」
フィラリア症は、感染すると命に関わる可能性がある病気です。しかし、適切な予防をすれば確実に防ぐことができます。
- 予防前に動物病院でフィラリア検査を受ける
- 適切な時期に予防薬を投与する
- 毎年予防を忘れない
「うちの子は大丈夫」と油断せずに、しっかりフィラリア予防をして、大切な家族を守りましょう。

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