整形外科– orthopedic surgery –

犬や猫の整形外科疾患について

  • 歩き方がおかしい
  • 足を引きずる
  • 階段を嫌がる
  • 寝ている時間が増えた

愛犬・愛猫のこのような症状に心当たりはありませんか?
これらの症状は骨や関節といった整形外科疾患のサインかもしれません。
犬や猫の整形外科疾患は慢性的な痛みや運動障害により、生活の質が著しく低下します。
大切な家族の一員である愛犬・愛猫の健康的な生活を守るためには、早期発見・早期治療が何よりも重要です。
ささいな異常を見逃してしまうと、症状が悪化し、治療が難しくなることもあります。

当院の整形外科診療では最新の診断技術と豊富な経験を活かし、ペットの痛みを軽減し、快適な生活をサポートします。
愛犬・愛猫に気になる症状があれば、早めにご相談ください。

整形外科の診断・検査方法

犬や猫の整形外科の診断において、最初のステップは丁寧な問診です。
ペットの既往歴や現在の症状、飼い主様が気になるペットの行動などについて詳しくお伺いします。
次に、視診や触診を行うことで異常箇所を特定します。
さらに、骨や関節の様子を詳しく見るためには状況に応じて、以下のような検査が必要です。

  • レントゲン検査:骨折や関節の異常を確認
  • 超音波検査:靱帯の損傷がないかや関節の炎症を確認
  • CT検査:レントゲン検査よりも詳細に骨の状態を確認
  • MRI検査:軟骨や靱帯、脊髄などの状態を確認
  • 関節液検査:関節内の炎症の程度や感染の有無を確認

当院では、これらの検査結果に基づき、それぞれの動物たちの状態に最適な治療法を検討していきます。

代表的な整形外科疾患

犬の膝蓋骨脱臼

トイプードルとチワックス

犬の膝蓋骨脱臼は小型犬に多く見られる整形外科疾患の一つです。
膝蓋骨脱臼の原因は先天性の異常が多いですが、まれに外傷などによっても発症します。
膝蓋骨脱臼では、膝蓋骨(膝のお皿)が正常な位置から外れてしまうことで、

  • 足を引きずる
  • 足を突然痛がる
  • スキップするように歩く

などの症状が現れます。

膝蓋骨脱臼が重度になると関節炎や靱帯の損傷を引き起こし、慢性的な痛みや運動制限を招くことがあるので要注意です。
膝蓋骨脱臼の治療は症状の程度によって異なり、軽度の場合は保存療法(安静や投薬)が選択されますが、重度の場合は外科手術が必要です。
犬の膝蓋骨脱臼は早期に適切な治療を受けることで、愛犬の生活の質を大きく改善できます。

犬のレッグペルテス病

レッグペルテス病はおもに小型犬の子犬に発症する疾患です。
レッグペルテス病は大腿骨の一部への血流が阻害され、壊死を起こし、大腿骨が変形してしまいます。
原因は明確ではありませんが、遺伝的要因や血行障害が関与していると考えられていますね。
レッグペルテスの好発犬種には、

  • トイプードル
  • ヨークシャーテリア
  • ポメラニアン
  • ペキニーズ

などが挙げられます。

レッグペルテス病は進行性の病気であり、激しい痛みを伴うので、基本的には外科手術が必要です。
外科手術では壊死を起こしている大腿骨の一部を切除します。
手術後はリハビリが必要ですが、痛みから解放され、犬の生活の質は向上します。

犬の橈尺骨骨折

橈尺骨骨折は前足の2本の骨である橈骨と尺骨の骨折を指し、特に小型犬で発生しやすいです。
橈尺骨骨折は高いところからの落下や交通事故などがおもな原因です。
特に子犬の時期は骨が細いため、ちょっとした段差から飛び降りただけでも骨折することがあるので注意しましょう。
橈尺骨骨折では

  • 足の腫れや痛み
  • 足を地面につけない
  • 足が異常な角度に曲がっている

などの症状が見られます。
橈尺骨骨折の治療ではギプスによる固定が行われることもありますが、基本的には早期の外科手術が必要です。
治療が遅れると足が変形したり、慢性的な痛みが継続し、犬の生活の質が低下します。
愛犬に橈尺骨骨折を疑う症状が見られた場合は早めに動物病院を受診しましょう。

犬の椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは椎間板が変性し、脊髄を圧迫することで痛みや神経症状を引き起こす疾患です。
犬の椎間板ヘルニアは軟骨異栄養性犬種と呼ばれる

  • ダックスフンド
  • コーギー
  • ペキニーズ
  • ビーグル
  • フレンチブルドッグ

などの犬種で好発します。
椎間板ヘルニアは軽度の場合は痛みが見られるだけのこともありますが、重症化すると歩行困難や排尿障害が出ることもあるので注意が必要です。
また、足の完全な麻痺に至ることもあるため、早期の診断と外科的な治療が重要です。
椎間板ヘルニアの手術後はリハビリを行い、神経機能の回復を目指します。


猫の股関節形成不全

ジャンプしているシャム猫

股関節形成不全はおもに大型犬に多い疾患ですが、猫でもまれに発症することがあります。
股関節は大腿骨が骨盤のくぼみにはまっています。
しかし、股関節形成不全では骨盤のくぼみが浅く、関節が不安定になるため、関節に負担がかかりやすいです。
猫の股関節形成不全は初期の頃は症状がわかりにくいですが、進行すると

  • 歩き方がぎこちない
  • ジャンプを嫌がる
  • 腰を振るように歩く
  • トイレを違う場所でする

などの症状が見られることがあります。
猫は犬に比べて、整形外科の症状に気づきにくいので普段から様子をしっかりと観察することが大切です。
猫の股関節形成不全は重症化すると関節炎が進行するため、外科手術が必要なこともあります。
また、股関節形成不全による関節炎の進行を防ぐには、体重を増やしすぎないようにしたり、床を滑りにくくするなどの管理も重要です。

整形外科疾患の予防とケア

犬や猫の整形外科疾患を予防するためには適切な体重管理と適度な運動が重要です。
肥満は関節に過剰な負担をかけ、整形外科疾患のリスクを高めます。
また、定期的な健康診断を通じて、早期に問題を発見し、適切な対策を講じることが大切です。
当院では、飼い主様に予防とケアのアドバイスを提供し、ペットの健康をサポートします。

整形外科手術後のリハビリ

整形外科手術後は適切なリハビリが回復の鍵となります。
当院では手術後のリハビリプログラムを個別に設計し、ペットの早期回復をサポートします。
リハビリには物理療法や運動療法が含まれ、スタッフが丁寧に指導します。
飼い主様にはリハビリの重要性とその方法について詳しく説明し、家庭でのケアも含めた総合的なサポートを提供します。

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