犬の眼球摘出術について|眼を取るってどういうこと?

犬の右目

犬の眼球摘出術について|眼を取るってどういうこと?

「ケンカをして眼に傷がついてしまった」
「眼が赤くなって飛び出してきたような気がする」
「眼のガンと言われたけどどうすれば良いの?」

上記のようなお悩みをお持ちではありませんか?
もしこんな状況になってしまった場合、眼を取り出す手術が必要になるかもしれません。

今回は眼を取り出す手術、眼球摘出術についてお話します。
いつ眼の病気になるかわかりませんので最後まで記事をお読みいただき、ぜひ参考にしてみてください。

目次

犬の眼球摘出術とは

犬の眼球摘出術とは、点眼薬や内服薬などでは治療が効果的でない時に実施する、眼球を取り出す手術です。
この手術には全身麻酔が必要になります。
眼球の手術は専門的な技術が必要になるため、実施している動物病院が限られてきます。
当院では外科に力を入れており、眼球摘出術を実施することが可能です。

眼球摘出術が必要になる場合とは

眼球摘出術が必要になるのはどのような時でしょうか。
犬は病気やケガで眼が痛くなることもあれば、眼球自体やその周囲に腫瘍ができることもあります。
眼球摘出術は痛みや腫瘍を取り除くために効果的な治療方法です。
眼球摘出術が必要になる例を詳しく解説していきます。

痛みがあって視力を失っている緑内障

緑内障とは眼の中の水分が増えることで眼圧という圧力がかかり、眼が痛くなったり見えなくなったりする病気です。
目薬で治療できることが多いですが、眼圧のコントロールが難しくなり痛みが取れない場合には手術が必要です。

眼の腫瘍

犬は眼に腫瘍ができることがあります。
眼球にできた場合だけでなく、瞼や眼の周りにできた腫瘍でも眼球摘出が選択されることがあります。
眼の周りの腫瘍だとしても、眼球まで幅広く切り取ることが必要な場合があるからです。

外傷などにより眼が飛び出している場合

ぶつかったり傷ついたりして眼が飛び出してしまうと、左右の眼を見比べたときに片方の眼が大きく出っ張っているように見えます。
眼球自体が外に落ちるようなことは基本的にはありません。
飛び出した眼を押し込むことができる場合もありますが、元に戻らない時は眼球を取り出す手術が必要になります。

外傷や感染などにより重度の傷がついたり、眼が破裂した場合

引っ掻き傷や細菌の感染がひどくなってしまった場合には、眼に穴が開いてしまうことがあります。
穴が開いて破裂すると、中から水が出てきて眼が小さく潰れてしまったり、中身が出てきたりするなど見た目に大きな変化が見られます。
重度の傷や破裂した眼は痛みを伴うので、手術で摘出することで痛みを取り除くことができるのです。

眼球摘出術の方法

眼球摘出術を実施する際には全身麻酔が必要です。
全身麻酔と聞くと不安を感じられる方がいるかもしれません。
全身麻酔をかける際には事前に血液検査などの手術前検査を実施したり、麻酔中にさまざまなモニターをつけて体の状態を把握したりしています。
麻酔のリスクを最小限に抑える対策をしていますので、必要以上に恐がらなくても大丈夫です。
手術で眼球を摘出した後は、そのまま瞼を閉じて縫い合わせます。
見た目としては眼をつぶったような状態です。
中に眼球が無いのでやや窪んだ形になります。病気によっては義眼を入れることが可能ですので、当院までご相談ください。
手術後は傷口をぶつけたり引っかいたりしないためにエリザベスカラーで保護することが必要です。
傷が落ち着いたらエリザベスカラーの装着や点眼薬などによる治療は基本的に必要ありません。
眼球摘出術の一番のメリットは痛みの原因が取り除かれることで本人の生活の質が上がることです。
毎日の点眼薬や内服薬が必要なくなることも大きなメリットとなります。

笑っている子犬

まとめ

眼を取り出す手術と聞くと、とても怖く感じると思います。
しかし眼球摘出術が選択されるのは、眼の痛みを伴っているケースがほとんどです。
手術を実施することにより痛みの原因が取り除かれるので、手術後は快適に過ごせるようになることが多いです。

当院では外科に力を入れており、眼球摘出術も実施しております。
他院で眼球を取り出す必要があると言われたり、手術に不安をかかえていたりするなど、ご心配なことがありましたら、お気軽に当院までご連絡ください。

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0265-76-8625
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診察時間
9:00〜11:30
17:00〜18:30
休診日:水曜日
注)水曜日が祝日の場合も休診となります
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監修獣医師

柏原 誠也 獣医師のアバター 柏原 誠也 獣医師 伊那竜東動物病院 院長

2013年に宮崎大学獣医学科を卒業し、勤務獣医師を経て、兵庫県の動物病院グループ 医療センター長補佐・院長を歴任する。
2023年には動物病院京都本院の院長に就任する。
2024年に伊那竜東動物病院の院長に就任し、地域に高度な獣医療を提供している。

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