猫の口蓋裂とは|子猫の食後のくしゃみは口蓋裂が原因かも?
「子猫にミルクを飲ませるとくしゃみが止まらない」
「口からミルクを飲ませてるのに鼻から出てきてしまう」
このような症状に心当たりがある場合、「口蓋裂」の可能性が考えられます。
今回の記事では口蓋裂の症状や治療について詳しくご紹介します。
特に子猫を保護した方は最後までお読みいただき、口蓋裂について理解を深めましょう。
口蓋裂とは
口蓋裂とは上顎に裂け目が生じている疾患です。
口のすぐ上には鼻が位置するため、口蓋裂になると口と鼻がつながってしまいます。
口蓋裂は獣医師が口腔内をチェックすることで診断が可能です。
保護猫などで健康診断を受けていない子猫は口蓋裂がないかどうかを獣医師にチェックしてもらいましょう。
なぜ口蓋裂になってしまうの?
口蓋裂の原因は大きくわけて先天性と後天性の2つです。
先天性
先天性の口蓋裂では妊娠中の発育段階で上顎が正常に形成されません。
先天性の口蓋裂を引き起こす原因には遺伝的な問題と妊娠中の環境要因が挙げられます。
親猫が口蓋裂の場合は遺伝により子猫も口蓋裂になる可能性があるため、あまり繁殖には向きません。
妊娠中の母猫が胎児に影響を及ぼす薬やサプリメントを摂取することも口蓋裂の原因の1つです。
後天性
後天性の口蓋裂は落下や交通事故などの強い衝撃が頭部に加わることが原因で生じることもあります。
口蓋裂が生じる時はかなり強い衝撃が加わるため、頭部や他の臓器にも大きいダメージがあることも多いです。
口蓋裂の症状
口蓋裂の穴の大きさが小さいと症状がないこともあります。
しかし、穴が大きい場合は水やフードが鼻に流れてしまうことでさまざまな症状を引き起こします。
くしゃみや鼻水が出る
口蓋裂では鼻に食べ物が入った刺激により、鼻がむずむずしてくしゃみや鼻水が出ることも多いです。
異物が鼻の粘膜を刺激することで鼻水が出ることもあります。
ミルクが上手く飲めない
子猫が栄養素を十分に摂取するためにはしっかりミルクを飲む必要があります。
しかし、口蓋裂のある子猫はミルクが鼻に流れてしまうため、うまく飲み込むことができません。
育ち盛りの子猫にとって栄養不足は体調や発育に大きな影響を及ぼします。
さらにミルクを誤嚥すると気管や肺に流れ込み、肺炎を起こしてしまうこともあります。
肺炎は重症化すると命に関わることもあるため、呼吸が苦しそうな場合は早めに動物病院を受診しましょう。
口蓋裂の治療
口蓋裂の基本的な治療法は穴を塞ぐ外科手術です。
先天性の小さい穴であれば成長と共に穴が塞がって症状が収まることもありますが、手術による治療が必要になることが多いです。
口蓋裂の手術は全身麻酔をかけて口の中から穴の縫合を行います。
また、子猫は食事を取れないとすぐに衰弱してしまうため、食事を摂取する経路を確保する食道チューブを設置することもあります。
手術が上手くいけば基本的には術後2週間ほどで傷がくっつき、問題なく生活が送ることが可能です。
まとめ
口蓋裂は栄養不足により衰弱したり、誤嚥性肺炎を起こすリスクがあるため、早急に治療が必要な病気です。
特に子猫では症状が重症化し、命を脅かすこともあります。
口蓋裂は全身状態が悪化する前に手術を行うことで良好な予後が期待できます。
少しでも症状に心当たりのある方はお早めに当院までご相談ください。
診察時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00〜11:30 | ||||||||
17:00〜18:30 |