犬の断脚手術について|手術の必要性と、手術の満足度について獣医師が解説

足に包帯を巻いている黒ラブ

犬の断脚手術について|手術の必要性と、手術の満足度について獣医師が解説

愛犬の断脚手術を考えている飼い主様の多くは、その実施に悩まれている方が多いです。
悩みの多くは

「本当に手術は必要なの?」
「3本足になって歩けるのか?」
「実際、この手術をした飼い主はどう思っているの?」

というものです。
今回は犬の断脚手術について、手術がなぜ必要なのか、また実際この手術を受けた飼い主様の満足度について解説していきます。

目次

断脚手術はどういう時に必要?

断脚手術を選択する一番多い理由は手や足にできた腫瘍です。
その他にも

  • 重度の外傷
  • 感染症
  • 壊死

などで実施されます。

骨腫瘍のレントゲン画像

断脚手術のメリット・デメリット

断脚手術のメリットは

  • 痛みからの解放
  • 転移部分の切除
  • 再発の防止

があります。
断脚手術を必要とする多くの犬が、痛みを感じています。
そのため痛みからの解放は、手術の最大のメリットと言えるでしょう。
腫瘍が原因の場合は、リンパ節などに転移している場合も手術で取り除くことができます。
転移をしていない場合も、広く摘出することで再発を防ぐこともできます。
断脚手術のデメリットは、麻酔が必要であることと摘出した脚を戻すことはできないということです。

断脚手術をした後の満足度

飼い主様の一番の懸念点は

「歩けるようになるのか?歩けるなら、どれくらいで?」
「他の足に負担がかかることはないの?」
「実際、この手術をした飼い主さんは満足しているのか?」

ということだと思います。
一つ一つ、報告を元に解説していきます。

断脚手術の後、歩けるようになる?

断脚手術の後、犬たちは比較的すぐに歩くことができます。
最近の報告では、手術後、約10日で足が無いことに慣れ、順応できたとあります。
別の報告では約1ヶ月で順応し、早い犬では1週間で慣れたとのことでした。
この一因には、そもそも断脚する足に痛みがあり、3本の足で歩くことに慣れていた可能性が高いと考えられています。
また、手術の後から活動性が上がる犬も多いです。
これは断脚した足にあった強い痛みから、解放されたことが理由として挙げられるでしょう。

他の足に負担は無いの?

4ヶ月という短い期間での観察ですが、断脚手術後、反対の足に関節炎などの所見などは無かったという報告があります。
しかし、この報告の犬たちは元々関節炎を患っていた犬ではありません。
そのため、関節炎がある犬では断脚手術により、残りの足に負担がかかる可能性があると言われていいます。

実際に手術をした飼い主様の満足度

実際に断脚手術を受けた犬の飼い主様の満足度は、高いという報告があります。
この満足度調査のアンケート内容は

  • 断脚手術の結果にどの程度満足しているか
  • 断脚手術を受ける前、この手術を犬に施すことに抵抗を感じていたか
  • もし別の犬がこの手術を受けることになったら手術するか

などでした。
アンケート結果によると、ほとんどの飼い主様ははじめ、手術に対して抵抗感がありました。
しかし手術後には、犬の活動性や様子は改善され、3本足での歩行も問題なく行えていると答えた飼い主様が多いことがわかりました。
もし別の犬がこの手術を受けることになったら手術をするかという質問には、飼い主様全員が「はい」と答えました。

前足に包帯を巻いている犬

まとめ

いかがでしたでしょうか?
断脚手術をする決断はなかなか難しいかと思います。
しかし病気の痛みが強い場合は、断脚手術をすることで、生活の質の改善が見込めます。
実際に断脚手術を決断した飼い主様の満足度も高いです。

実際の断脚手術に関して、ご不明点などあればぜひ当院にご相談ください。
本当に断脚手術が必要なのかも含めてセカンドオピニオンも受け付けています。

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監修獣医師

柏原 誠也 獣医師のアバター 柏原 誠也 獣医師 伊那竜東動物病院 院長

2013年に宮崎大学獣医学科を卒業し、勤務獣医師を経て、兵庫県の動物病院グループ 医療センター長補佐・院長を歴任する。
2023年には動物病院京都本院の院長に就任する。
2024年に伊那竜東動物病院の院長に就任し、地域に高度な獣医療を提供している。

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