犬が糖尿病と診断されてから、急に目が白くなったと感じることはありませんか。
白内障は、加齢に伴って発症することが多い病気として知られていますが、実は糖尿病と深く関係しています。
この記事では、犬の白内障と糖尿病の関係性について、眼科診療の観点から解説します。
犬の目が急激に白くなったと感じる方は、ぜひこの記事をお読みいただき、白内障と糖尿病についての知識を深めていきましょう。
犬の白内障とは
白内障とは、目の中にある水晶体と呼ばれるレンズが白く濁る病気です。
水晶体は本来透明ですが、濁ることで光が網膜に届きにくくなります。
白内障が進行すると、視力の低下や失明につながります。
白内障は進行度によって、以下の4つのステージに分けられます。
- 初発期(水晶体がごく軽度に混濁している状態)
- 未熟期(水晶体の混濁が進行して、視覚が低下している状態)
- 成熟期(水晶体の全体が白濁して、視覚の低下が顕著な状態)
- 過熟期(水晶体の変性・液化が進行している状態)
糖尿病による白内障では、進行が非常に早く、短い期間で成熟期まで進むこともあります。
犬の糖尿病とは
糖尿病とは血糖値が慢性的に高くなる病気です。
糖尿病の犬では、血糖値を下げる作用のあるインスリンが十分に分泌されていなかったり、うまく働くことができなくなることで、高血糖の状態が続きます。
犬の糖尿病は、多くの場合インスリンの不足が原因となって発症します。
一度発症すると、インスリン治療を生涯にわたって続けていくことが必要となるケースが多いです。
糖尿病は、高血糖の持続によって全身にさまざまな影響を及ぼす病気です。
特に、犬では眼の中の水晶体に変化が起こりやすく、高確率で白内障を併発します。
糖尿病の管理においては、血糖値のコントロールだけでなく、眼の状態を含めた全身のチェックを定期的に行うことが大事です。
なぜ糖尿病で白内障が急速に進行するのか
糖尿病の犬で、白内障が急速に進行する理由とは何でしょうか。
糖尿病によって高血糖の状態が続くと、水晶体の中にグルコースが過剰に取り込まれます。
グルコースはソルビトールという物質に変換され、水晶体内に蓄積します。
ソルビトールは水を引き込む性質があるため、水晶体が膨張し、水晶体の内部構造が破綻します。
水晶体の内部構造が破綻した結果、水晶体が白く濁った状態が白内障です。
糖尿病による白内障は急激に起こるため、糖尿病と診断されてから短時間で失明に至る場合もあります。

白内障の治療方法
白内障の治療方法には外科療法と内科療法があります。
特に、糖尿病を伴う場合は進行が早いため、治療の判断とタイミングが重要になります。
外科療法
白内障の根本的な治療は外科手術です。
水晶体超音波乳化吸引術によって、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術を行うことで、根治を目指すことができます。
糖尿病の犬が手術を行うためには、血糖値のコントロールができていることが重要です。
高血糖の状態が続いている場合には、術後の合併症のリスクが上がります。
内科的に糖尿病の管理をおこなったうえで、手術の適応を判断する必要があります。
内科療法
内科療法として、点眼薬を使うこともあります。
点眼薬は、白内障の進行を遅らせることができますが、濁った水晶体を元に戻すことはできません。
糖尿病の犬では、内科治療で血糖値を安定させることで、水晶体のダメージを抑えることができます。
治療方針の決定には、眼科検査が必要なので、動物病院で一度診察を受けることが大切です。
飼い主が気づくべきサイン
糖尿病や白内障になった場合、犬にどのような症状がみられるか解説します。
日頃から愛犬の状態をチェックして、当てはまる症状が多いときには動物病院を受診しましょう。
白内障
白内障の症状は以下の通りです。
- 目が白く見える
- 物にぶつかる
- 暗い場所で動きにくい
- 目の奥が濁ってみえる
特に糖尿病と診断されている犬では、これらの症状が急に出ることがあるため注意が必要です。
糖尿病
糖尿病の症状は以下の通りです。
- 水をよく飲む
- 尿がよく出る
- ご飯をよく食べる
- 体重が減る
糖尿病は、犬の見た目の状態が悪くみえないこともあるため、発見が遅れてしまうこともあります。
糖尿病は発見が遅れると、命にかかわるような病態に進行することもあります。
上記のような症状がある場合には、はやめに動物病院にご相談ください。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
犬の白内障は一般的な病気ですが、糖尿病が関与する場合は進行が非常に速く、視覚以外にも目の健康に大きな影響を及ぼします。
「目が白いだけ」と軽視せず、早期に動物病院での診察を受けることが重要です。
適切なタイミングでの治療により、視力の維持や生活の質の向上が期待できます。当院では、眼科診療に力を入れており、白内障の治療も可能です。
愛犬の視覚を守るためにも、気になる症状がある場合には、お気軽にご相談下さい。
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