犬や猫の軟部外科疾患について
皆様の大切なご家族である愛犬・愛猫が何かしらの健康トラブルを抱えていないか心配になることはありませんか?
- 食欲不振や嘔吐が続く
- 息苦しそうにしている
- 咳をしている
- トイレの回数が増えた
- 血尿が出ている
- 尿が出づらそうにしている
- お腹が張っている
- お腹を触ると痛がる
- 乳腺にしこりがある
これらの症状の中には手術が必要な疾患が隠れているケースも少なくありません。
症状を放置すると、病状が進行し、命に関わることもあります。
愛犬・愛猫に手術が必要な病気が見つかった飼い主様の中には
「もっと早く症状に気がつければよかった」
「元気だからといって、気になる症状を放置せずに早めに動物病院を受診すればよかった」
と後悔される方も多いです。
当院では犬・猫の外科治療にも積極的に取り組んでいます。
愛犬・愛猫の様子がおかしいと感じたら、迷わず当院までご相談ください。
軟部外科の診断・検査方法
犬や猫において外科手術の必要性はさまざまな検査を行い、総合的に判断していく必要があります。
まずは犬や猫の状態を見極める詳細な問診と身体検査が大切です。
飼い主様から症状や経過を伺い、触診や視診で異常がないかを確認します。
飼い主様からいただく情報は非常に重要なので、最近の症状や生活の変化について詳しくお伝えください。
その後は必要に応じて、以下のような検査を行います。
- 血液検査:炎症の有無や臓器の状態を確認します。
- 尿検査:尿路系の異常や腎臓の機能を評価します。
- 画像検査:レントゲン検査や超音波検査で臓器の形態や病変の有無を確認します。必要に応じてCT検査を行い、より詳細な評価をすることもあります。
- 細胞診検査:しこりに針を刺して細胞を採取し、腫瘍の有無や種類を評価します。
- 病理組織検査:手術で摘出した組織を詳しく調べ、正確な診断を行います。
当院ではこれらの検査を通じて、病状を正確に把握し、最適な治療プランを提案いたします。
代表的な軟部外科疾患
犬の脾臓腫瘍
脾臓は血液の貯蔵や老廃物の除去に関わる重要な臓器です。
犬の脾臓腫瘍は高齢犬で見つかることが多いですが、初期段階では症状が見られないことがほとんどです。
脾臓腫瘍が進行すると、食欲不振や元気消失、お腹の膨らみなどが現れます。
犬の脾臓腫瘍には良性と悪性があり、悪性の場合には血管肉腫という非常に進行が早い腫瘍が多く見られます。
脾臓腫瘍は良性であっても、破裂すると大量出血を引き起こし、命に関わることもあるため、早期発見と治療が不可欠です。
脾臓腫瘍の治療法は腫瘍の摘出手術が一般的で、術後は化学療法を併用することもあります。
愛犬の腹部が膨らんでいる、急に元気がなくなったなどの症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
犬の子宮蓄膿症
子宮蓄膿症は未避妊のメス犬に発生する深刻な病気です。
子宮蓄膿症は子宮内に細菌が感染し、膿がたまることで起こります。
子宮蓄膿症では、
- お腹が膨らむ
- 陰部から膿が出る
- 水をよく飲む
- 尿の量が増える
などの症状が見られます。
進行すると、細菌が全身に広がり敗血症を引き起こすこともあり、緊急手術が必要です。
犬の子宮蓄膿症の治療は子宮と卵巣を摘出する手術が一般的で、術後も抗生剤などを用いながらの注意深いモニタリングが必要です。
子宮蓄膿症は避妊手術をしておくことで予防できます。
子宮蓄膿症になると命を落とすこともあるので、若いうちに避妊手術を受けることがおすすめです。
犬の膀胱結石
膀胱結石は犬でよく見られる泌尿器系のトラブルです。
膀胱結石は尿中のミネラル成分が結晶化することで形成されます。
膀胱結石になると、
- 頻尿
- 血尿
- 排尿時の痛み
- 尿もれ
などの症状が見られます。
犬の膀胱結石はストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石の2種類がほとんどです。
ストルバイト結石は特別な食事で溶かすことができるので、食事療法から治療を始めることが多いです。
しかし、シュウ酸カルシウム結石やストルバイト結石でも食事療法で解決できない場合は手術による結石の摘出を行います。
膀胱結石の手術後は再発させないための管理が重要です。
具体的には、犬が十分な水を飲むように促したり、犬にあった食事を与え、結石のリスクを減少させることが大切ですね。
猫の尿道閉塞
猫の尿道閉塞はオス猫に多く見られる緊急性の高い疾患です。
尿道が結石や炎症によって塞がれることで、尿がでなくなり、体内に毒素がたまります。
尿道閉塞の気をつけるべき症状には
- 頻繁にトイレに行くが尿がでない
- 尿に血が混じることがある
- 尿がポタポタとしかでない
- 排尿時に苦しそうに鳴いている
などが挙げられます。
尿道閉塞の状態が続くと、急性腎障害を引き起こし、命に関わることもあるので要注意です。
尿道閉塞の初期治療は尿道カテーテルを挿入して尿を排出させることが一般的です。
しかし、再発を繰り返す場合やカテーテルでの治療が難しい場合には尿の排出経路を確保する会陰尿道造瘻術などの外科手術が必要になることもあります。
猫の尿道閉塞は非常に危険な状態であり、早期発見と迅速な治療が命を救うことにつながります。
日常的に愛猫の排尿状況を観察し、異常があれば、すぐに獣医師に相談することが重要です。
猫の乳腺腫瘍
乳腺腫瘍は高齢のメス猫に多く見られます。
猫の乳腺腫瘍の約90%は悪性であり、隣接するリンパ節や肺に転移するリスクが高いです。
猫の乳腺腫瘍は猫が1歳未満で避妊手術を受けることで、乳腺腫瘍の発生リスクを減少させることができます。
乳腺腫瘍を予防するためにも、若い時期に避妊手術を受けましょう。
乳腺腫瘍は初期段階では猫は自覚症状を示さないことが多く、しこりが小さいため見つけにくいです。
しかし、乳腺腫瘍が大きくなると、表面が潰瘍化することがあります。
このような場合には猫が痛みを感じ、食欲不振などを示すことがあるので要注意です。
乳腺腫瘍のおもな治療法は外科手術で、腫瘍を含む乳腺を広範囲に切除することが推奨されます。
猫の乳腺腫瘍の予後は腫瘍の大きさや転移の有無によって異なります。
愛猫とのスキンシップを大切にし、しこりなどの異常を早期発見することが大切です。
軟部外科手術の重要性
犬や猫の病気の中には、外科手術が唯一の治療法となるケースが多くあります。
例えば、腫瘍の摘出や臓器の修復、結石の除去などの多くは手術によってのみ解決できる問題です。
当院では、最新の設備と経験豊富な獣医師が安全で効果的な手術を提供します。
手術後も、適切な術後管理とフォローアップを行い、ペットの快適な回復をサポートします。また、犬や猫の病気は予防と早期発見が何よりも重要です。
定期的な健康診断や、日々の観察を通じて、少しでも異常を感じたら早めに動物病院を受診することが愛するペットの健康を守る鍵です。
当院では飼い主様と協力して、ペットの健康を守るためのアドバイスやサポートを提供しています。
愛犬・愛猫に関して不安なことやお悩みがあれば、気軽にご相談ください。

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