「最近、猫が前足で顔を何度もこすっている」
「目のまわりが赤くなっている気がする」
「ひげのあたりを掻き壊してしまった」
愛猫にこのような様子が見られたら、病院に行くべきか迷ってしまいますよね。
顔は目や口をはじめとしたとてもデリケートな部位が集まっています。
小さな炎症でもかゆみが悪化しやすく、搔き壊しによって傷になってしまうこともあります。
実は、猫のかゆみはさまざまな原因により引き起こされます。
今回は、猫の顔のかゆみについて
- サイン
- 原因
- 治療
- 自宅でできるケア
について、できるだけ分かりやすく解説します。
愛猫が顔をかゆそうにしている様子が見られた際に参考にしていただければ幸いです。
猫の顔にかゆみがあるときのサイン
猫が顔をかゆがっているのか、グルーミングをしているだけなのか分からないときがありますよね。
猫はかゆみを感じると、次のような行動をとります。
- 前足で顔を何度もこする
- カーペットや壁に顔を擦りつける
- 耳の付け根を後ろ足で激しく掻く
- 頭を振る
猫の顔は被毛が比較的薄く、皮膚も繊細です。
そのため、猫の顔周りの皮膚は短期間でも脱毛やかさぶたができやすい部位です。
猫が顔を掻き壊すとじゅくじゅくした炎症に進行することもあります。
「ちょっと赤いだけ」「少し掻いているだけ」と思っていても、猫にとっては強い不快感を伴っていることも少なくありません。
猫の顔にかゆみを引き起こす原因
猫の顔のかゆみはさまざまな原因によって引き起こされます。
一見するとどれも同じような赤みや脱毛に見えることがありますが、背景にある病気は大きく異なります。
猫の顔のかゆみの原因は、
- アレルギー
- 寄生虫
- 真菌
などに大きく分けられます。
かゆみの原因は単独ではなく、上記の原因が複数関わっているケースも少なくありません。
猫の顔のかゆみは「よくある症状」ではありますが、自己判断で原因を決めつけてしまうと治療が長引いてしまうことがあります。
猫の顔のかゆみは単なる皮膚トラブルとして片付けず、「なぜかゆみが出ているのか?」を丁寧に整理していくことが大切です。
猫の顔にかゆみ引き起こすアレルギーの病気
猫の顔のかゆみで最も多い原因がアレルギーです。
猫では特に顔や首まわりに強いかゆみが出やすい傾向があります。
猫の顔にかゆみを引き起こす代表的なアレルギーの病気は次の通りです。
食物アレルギー
食物アレルギーは、特定のタンパク質に対して体が過剰に反応することでかゆみが引き起こされる病気です。
季節に関係なく一年中症状が出ることが多く、
- 顔
- 首
- 耳
- 肛門周囲
などにかゆみが出やすいのが特徴です。
環境アレルギー
環境アレルギーは、ハウスダストやダニなど環境中のアレルゲンが原因でかゆみを引き起こされる病気です。
環境アレルギーは季節性があることも多く、「毎年同じ時期に悪化する」という経過をたどることがあります。
ノミアレルギー
ノミアレルギーは、ノミに刺されたときの唾液に反応して強いかゆみが生じる病気です。
わずか1匹のノミでも強い症状が出ることがあり、顔や首に炎症が広がるケースもあります。
猫の顔にかゆみを引き起こす寄生虫の病気
猫の顔のかゆみはダニなどの寄生虫によっても引き起こされます。
ダニの寄生が原因の場合は、かゆみが強いのが特徴です。
猫の顔にかゆみを引き起こす代表的な寄生虫の病気は次の通りです。
耳ヒゼンダニ症
耳ヒゼンダニ症は、耳に寄生した耳ヒゼンダニによって、耳にかゆみを引き起こす病気です。
耳ヒゼンダニは子猫や保護猫に見られることが多い寄生虫です。
猫が耳ヒゼンダニ症になると黒い耳垢が増え、強いかゆみが出ます。
猫が耳を激しく掻くことで、顔や耳の周囲まで炎症が広がることがあります。
疥癬
疥癬は、ヒゼンダニによってかゆみを引き起こす病気です。
ヒゼンダニは子猫や保護猫に見られることが多い寄生虫です。
疥癬は非常に強い掻痒を引き起こし、かさぶたが形成されることもあります。
疥癬によるかゆみは耳介から始まることが多く、顔や首に広がります。
疥癬は人にうつることもあるため注意が必要です。
猫の顔にかゆみを引き起こす真菌の病気
猫の顔にかゆみを引き起こす真菌の病気に皮膚糸状菌症があります。
猫の皮膚糸状菌症は「猫カビ」とも呼ばれ、顔に病変が出やすい病気です。
猫の皮膚糸状菌症の特徴は次の通りです。
- 円形の脱毛
- フケ
- 軽い赤み
- かさぶた
猫の皮膚糸状菌症のかゆみは軽度なことが多いですが、掻くことで足先に広がることがあります。
猫の皮膚糸状菌症は子猫や免疫が落ちている猫で発症しやすく、人にも感染する人獣共通感染症です。
猫の顔にかゆみを引き起こすその他の原因
猫の顔のかゆみはアレルギーや寄生虫以外にも次のような原因でも引き起こされます。
- 細菌感染
- 自己免疫疾患
- 歯周病や口腔内疾患による関連痛
顔のかゆみではなく、痛みで猫が顔を掻いているケースもあります。
猫が顔をかゆそうにしていても「かゆいだけだし様子見ていいかな」と思わず、動物病院を受診しましょう。

猫に顔のかゆみに対する検査
猫の顔のかゆみは見た目だけで原因を断定することは困難です。
そのため、次のような検査を組み合わせて診断します。
- 皮膚スタンプ検査
- 皮膚掻爬検査
- 耳垢検査
- 真菌培養検査
- 食事変更試験
顔のかゆみの原因を特定せずに対症療法だけを行うと、再発を繰り返すことがあります。
適切な検査と診断がとても重要です。
猫に顔のかゆみに対する治療
顔のかゆみに対する治療は原因によって異なります。
原因に対する治療は以下のような治療が行われます。
- アレルギー:食事療法やステロイドなどの抗炎症薬の使用
- 寄生虫:駆虫薬の投与
- 真菌感染:抗真菌薬の内服や外用薬の使用
- 細菌感染:抗菌薬の使用
顔は目が近いため、外用薬の使用には注意が必要です。
誤った治療をすると症状が悪化する可能性があるので、市販薬の使用の際は必ず獣医師の指示に従いましょう。
猫の顔がかゆくならないために自宅でできるケア
愛猫の顔がかゆくならないように自宅でできることがあればやってあげたいですよね。
猫の顔にかゆみが出ないように自宅でできることに以下のようなものがあります。
- ノミダニ予防を通年で行う
- 耳の状態を定期的に確認する
- 急なフード変更を避ける
- 顔をこすりつける場所を清潔に保つ
- 爪を適切に切っておく
日頃から家を清潔にすることや猫の様子をチェックすることも大事です。
猫の顔にかゆみがある場合、様子を見てしまうと急激に悪化することがあるので早めに動物病院を受診しましょう。

まとめ
猫の顔のかゆみはアレルギーや寄生虫などさまざまな原因によって引き起こされます。
そのため、猫の顔のかゆみは適切な診断と治療が必要になります。
顔は悪化しやすい部位だからこそ、早めの対応が重要です。
当院ではかゆみをはじめとする猫の皮膚科診療に力を入れています。
「顔のかゆみが良くならない」「治療でずっとステロイドを使っているけど心配」という飼い主様は、ぜひ一度ご相談ください。
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