猫の総胆管閉塞|総胆管閉塞に早く気づく方法と治療について獣医師が解説

寝ているキジトラ猫

猫の総胆管閉塞|総胆管閉塞に早く気づく方法と治療について獣医師が解説

猫の総胆管閉塞は比較的まれな病態です。
しかし総胆管の閉塞に気づくことができないと、重大な病気を見逃してしまい、猫の寿命を縮めてしまうかもしれません。
「最近、猫のおしっこが異常に黄色く、食欲がない」
「猫の元気がなく、白目が黄色い気がする」
と感じたことはありませんか?
もしかしたらそれは、既に総胆管が閉塞しているサインかもしれません。

今回は、猫の総胆管閉塞について解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、猫の総胆管閉塞について知識を深めていただければと思います。

目次

総胆管とは

総胆管とは、肝臓で作った胆汁という食事中の脂肪を分解する液体を十二指腸に流すための管です。
胆管は肝臓の中に無数に枝分かれした細い管で、管同士が合流し、肝臓の外で総胆管となります。

肝臓周囲の模式図

猫の総胆管閉塞の原因

この総胆管が何かしらの原因でつまることが、総胆管閉塞という病態です。
総胆管が閉塞する原因は、総胆管外と、総胆管内の問題に分かれます。
それぞれ分けて解説していきます。

総胆管外の問題による閉塞

総胆管外の問題による閉塞は、管を圧迫する存在や、十二指腸への出口を塞ぐ原因により起こります。
例えば

  • 腫瘍
  • 膵炎
  • 十二指腸炎
  • 奇形

などです。
膵炎や十二指腸炎などの炎症疾患の場合は、総胆管の出口周囲の組織が腫れ、胆汁排泄ができなくなります。

総胆管内の問題による閉塞

総胆管内の問題による閉塞は、内部につまりが生じた場合に起こります。
例えば、胆管や胆のうという胆汁を一時的に貯めておく場所の中で作られた胆石や胆泥が、総胆管に流れ落ちた場合です。
猫では、総胆管内の問題は総胆管外の問題と比較して少ないと言われています。
しかし胆石や胆泥がある猫は総胆管内の閉塞に注意する必要があるでしょう。

総胆管閉塞の症状

猫の総胆管が閉塞した時の症状は、一般的に

  • 元気の低下
  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 皮膚や白目が黄色い
  • 尿の色が濃い

などがあります。
特に皮膚や白目が黄色い、尿の色が濃いというのは黄疸が出ている証拠です。
黄疸とは、肝臓の機能低下や負担がかかっている状態です。
なぜ猫に黄疸が出ているのか、しっかりとした検査が必要となるため、すぐに動物病院へ相談しましょう。

猫砂にいる猫

猫の総胆管閉塞の治療

総胆管閉塞の治療には、内科治療と外科治療があります。
総胆管閉塞の治療で大事なことは、総胆管のつまりを無くすことです。
内科治療と外科治療についてそれぞれ解説していきます。

内科治療

内科治療では、腫れて狭くなっている総胆管の出口の炎症を治すことや、総胆管を広げ、胆汁が十二指腸へ出やすくする治療を行います。
そのため、

  • 点滴
  • 抗生剤の投与
  • 総胆管での胆汁の排泄の促進
  • 対症療法

などが行われます。
この時、閉塞の原因となっている病気の治療も、同時に行うことが大切です。
内科治療を実施しても状態が改善しない場合は、外科治療を考える必要があります。

外科治療

外科治療には

  • 管の中でつまっているものを取り除く方法
  • つまっている総胆管とは違う管を設置する方法
  • 総胆管を切除し、胆のうと十二指腸を繋げる方法

などがあります。
いずれの治療方法も、胆汁を肝臓から十二指腸へスムーズに流すことを目的とした治療です。
猫の全身的な状態や、肝臓や胆のうの状況などから、ベストな手術方法を獣医師と相談しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は猫の総胆管閉塞について解説しました。
猫の総胆管閉塞は発生自体は少ないものの、発生リスクを高める膵炎や十二指腸炎は猫でよく見られます。
胆管閉塞時に見られる黄疸の症状は特徴的ですが、猫の皮膚は毛に覆われているため黄疸が分かりにくい場合があります。
その点、尿は色が分かりやすいです。
愛猫の尿を毎日観察していない飼い主様は、まずは毎日尿を観察することから始めてみましょう。
もしも気になる症状があれば、すぐに当院までご相談ください。

総胆管閉塞の手術は、難しい手術になることもあります。
当院は外科治療に力を入れている病院です。
他の病院では外科治療は難しいと言われた飼い主様も、一度当院にご相談ください。
愛猫にとってベストな治療を一緒に考えましょう。

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診察時間
9:00〜11:30
17:00〜18:30
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監修獣医師

柏原 誠也 獣医師のアバター 柏原 誠也 獣医師 伊那竜東動物病院 院長

2013年に宮崎大学獣医学科を卒業し、勤務獣医師を経て、兵庫県の動物病院グループ 医療センター長補佐・院長を歴任する。
2023年には動物病院京都本院の院長に就任する。
2024年に伊那竜東動物病院の院長に就任し、地域に高度な獣医療を提供している。

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