犬の背中の痛みの原因は?見逃しやすい症状とよくある病気を解説
犬を飼っている方の中には
「飼い犬が抱き上げる時にキャンと鳴くようになった」
「背中を触ると痛がる」
「尻尾をあまり振らなくなった」
と感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もしかしたら、背中が痛い時のサインかもしれません。
犬も人と同じように背中の痛みで動きづらくなることがあります。
ただ、言葉で痛みを伝えることができないため、普段の様子の変化から気づいてあげる必要があります。
今回は犬が背中を痛がるときのサインや、考えられる原因、治療法について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、病院に連れていく目安としてお役立てください。

犬の背中が痛い時のサイン
犬は言葉では痛みを伝えられません。
飼い主様が犬の痛みのサインを知っておき、早めに対処してあげましょう。
犬の背中が痛い時には、次のような様子がみられます。
- 背中を触るとキャンと鳴く
- 抱き上げる時に急に嫌がる
- 段差の昇り降りを避ける
- 散歩を嫌がる・途中で止まる
- 尻尾をあまり振らない
- 背中を丸めてじっとしている
- 後ろ足がふらつく・もたつく
- 震える
さらに、痛みや神経の影響で食欲が落ちる、元気がなくなる、トイレの失敗が増えるなど、全身的な変化が増えることもあります。
普段の様子と少しでも違うと感じたら、早めに動物病院で相談しましょう。
犬の背中の痛みの原因
犬の背中が痛くなる原因で多いものとして、次のような病気があります。
- 椎間板ヘルニア
- 変形性脊椎症
- 脊髄腫瘍
ここからは上記の病気について解説していきます。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは犬で非常に多い病気です。
背骨の骨と骨の間にある椎間板というクッションが飛び出し、背骨の中を通る神経(脊髄)を圧迫することで、痛みや麻痺などの症状が出てきます。
椎間板ヘルニアには遺伝的要因によるものと加齢性変化によるものがあります。
遺伝的要因によるものをハンセンI型、加齢性変化によるものをハンセンⅡ型といいます。
ハンセンⅠ型では主に突然発症することが特徴です。
ミニチュア・ダックスフンドやウェルシュ・コーギーにみられます。
一晩で立てなくなるほど重症化することもあり、早期発見・早期治療が非常に重要です。
ハンセンⅡ型ではハンセンⅠ型に対し、ゆっくり症状が現れ、進行していきます。
どんな犬種でも起こり得ますが、柴犬、ラブラドール・レトリーバーなどに見られます。
進行した椎間板ヘルニアの症状は
- 痛み
- 歩行異常
- 麻痺
などが挙げられますね。
重度になると立てなくなることもあるため、早期の対処が大切です。
椎間板ヘルニアの治療は、以下のようなものが挙げられます。
- 安静
- 炎症止めや痛み止めの薬
- 手術
手術では、脊髄を圧迫している椎間板を除去します。
麻痺が進行して神経にダメージが残ると、回復が難しくなるため、早期の治療が重要です。
変形性脊椎症
変形性脊椎症は加齢により背骨の骨の形が変形し、背骨同士がくっつくような状態になることです。
無症状のまま、レントゲン検査で偶然見つかることも少なくありません。
変形性脊椎症は背骨の動きが悪くなり、痛みが出てくることもあります。
いつもよりも動きたがらないなどの症状が出てこないか注意してみてあげましょう。
高齢犬で「最近動きが鈍い」と感じたときには、脊椎症が関連している可能性もあります。
変形性脊椎症によってくっついてしまった骨同士を元に戻す治療法はありません。
しかし、痛みの緩和や、炎症を抑えてあげることはできます。
神経症状が出てくるようであれば、手術で神経の圧迫を緩めてあげる場合もあります。
脊髄腫瘍
まれではありますが、背骨の中を通っている神経(脊髄)に腫瘍ができることがあります。
痛みが出ることは稀ですが、麻痺などの神経症状が見られます。
進行していくことが多いので少しでも歩き方がおかしいなど、いつもと様子が違うようであれば動物病院に相談しましょう。
診断には身体検査、レントゲン検査、MRI検査が必要です。
まず、身体検査で神経に異常が出ていないかどうかを確認します。
レントゲン検査では、骨に腫瘍ができていれば、骨の変形や破壊が見られます。
レントゲン検査では脊髄の腫瘍は写らないため、脊髄の状態を確認するにはMRI検査による確定診断が欠かせません。
治療法は腫瘍の種類や位置によって変わります。
手術によって腫瘍が全て切除できるかどうかが関係してくるからですね。
ただ、全てを切除できなくても、手術を行うことで、神経の圧迫を軽減することができます。
また手術を行うと、切除した腫瘍を病理検査に出して予後の判定ができるようになるのもメリットの一つです。
たとえ良性の腫瘍であっても、少しずつ腫瘍が成長していき、神経を圧迫することがあります。
一方で、悪性腫瘍は進行が早く、初期の段階から神経に強く影響を与えるケースも少なくありません。
腫瘍の種類にかかわらず、早期に発見し治療を始めることが重要です。
ちょっとした違いに気付く大切さ
犬は痛みや違和感を言葉で伝えることができません。
そのため、飼い主様が日々のちょっとした違和感にいち早く気付いてあげることが何よりも大切です。
- 散歩を急に嫌がるようになった
- ソファに登らなくなった
- 段差でつまずく
- 寝てばかりいる
上記の症状は「年のせいかな」と見過ごされがちですが、実は病気のサインであることも多いです。
病気が進行してしまう前に治療を始めることで回復の可能性も高まります。
少しでも違和感を感じるようであれば、早めに動物病院で見てもらいましょう。
まとめ

「いつもとちょっと違うかも?」と感じたら、それは大切なサインかもしれません。
背中の痛みをそのままにしておくと、症状が進行してしまうこともあります。
当院では背中の痛みの診断・治療に力を入れており、早期の対応ができる体制を整えています。
「少し様子がおかしいかも」と感じたら、お気軽にご相談ください。
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